フェルメールの世界的名画『真珠の耳飾りの少女』の

モデルとなったとも言われている、

グイド・レーニ作『ベアトリーチェ・チェンチの肖像』。

暴力的な父親殺しの罪で断頭台へ向かう直前のベアトリーチェは、

斬首に際して髪の毛で斧の刃が滑るのを防ぐために

ターバンを巻いて、その時を待ったという。

しかし、力なく振り返った彼女の眼には、

これから死を迎えることへの絶望感ではなく、

ある種の「希望=光」が輝いて見える。

まるで心の中でこう語りかけているかのように———。

この世は光で満ち溢れている。

ベアトリーチェ・チェンチの肖像

STORY

1615年6月。

画家グイド・レーニは青年の肖像を描いていた。

デッサンも終わりに差し掛かった頃、

青年はアトリエ内にある絵の中から一枚の肖像画を見つけ、

譲って欲しいと申し出る。

それは15年前、レーニがまだ画家見習いであった頃に描いた少女

ベアトリーチェ・チェンチであった。

レーニは譲り渡すことを拒んだが、青年の熱意に負け、

彼女の物語を語り始めるのであった。

ベアトリーチェ・チェンチ

(1577年2月6日−1599年9月11日)

ベアトリーチェ・チェンチは、ローマ貴族の中でも指折りの名家に生まれ、

その悲劇的な運命は多くの文筆家・芸術家に影響を与えた。

彼女の悲運はその父、フランチェスコ・チェンチの娘に生まれたことにある。

フランチェスコ・チェンチは獰猛な人物で、

暴力や虐待など非道の限りを尽くしながらも、

富と権力を盾に幾度となくその罪を逃れていた。

暴虐は時が経つにつれ一層激しくなり、

後妻のルクレツィアと共にローマの田舎に移り住んだ頃には、狂気と化す。

やがて類稀ない美しい女性に成長したベアトリーチェにもその手は及び、

彼女を監禁し陵辱を繰り返すようになった。

ベアトリーチェは、ローマ当局に告訴するもまったく取り合ってもらえず、

ついにこの窮境から逃れるため尊属殺人(父親殺し)を計画。

ルクレツィア、使用人等とともに実行に移したのである。

転落事故を装ったものの計画はすぐに露見し、

検視と凄惨な拷問の結果、全員が極刑を宣告された。

処刑前日、1599年9月10日。

肖像を描くことを命じられたレーニがベアトリーチェのもとを訪れる。

そこは窓ひとつない、壁の半分が地下に埋まった暗い独房。

レーニは彼女の真実を写し取ろうと筆を取る。

そしてベアトリーチェはレーニに、最期の願いを託す・・・。

GALLERY

STAFF

田尾下 哲

修辞・ドラマトゥルグ

長屋 晃一

音楽

茂野 雅道

PLAY

2013年9月

名古屋陶磁器会館(あいちトリエンナーレ2013オープンアーキテクチャー・スペシャル企画)
出演:AKANE LIV 戸井 勝海 安田 佑子 前田 秀太郎 小林 裕 岸田 研二

2013年10月

渋谷space EDGE
出演:AKANE LIV 戸井 勝海 安田 佑子 前田 秀太郎 小林 裕 岸田 研二

2014年5月

穂の国とよはし芸術劇場PLAT アートスペース
出演:AKANE LIV 戸井 勝海 安田 佑子 前田 秀太郎 小林 裕 岸田 研二

2014年5月

シアター1010 ミニシアター
出演:AKANE LIV 戸井 勝海 安田 佑子 前田 秀太郎 小林 裕 岸田 研二

2017年4月

スタジオアマデウス(主催:THEATER LOV)
出演:ドルニオク綾乃 田中 智也 中井 奈々子 安田 佑子 白木原しのぶ
田代 真奈美 華 みき 長谷川 慎也 小林 裕 菊沢 将憲