171106_pr_title_logo

“フランスの五月革命を背景にパリの安アパルトマンの一室で繰り広げられる 濃密な三人芝居”

舞台は1968年、フランスの五月革命まっただ中のパリ。
次回作の役作りのために安アパルトマンに暮らす大女優リュシエンヌ・モロー。

ある日、一階下に越してきた医師志望の青年ポール・ドラクロワが水漏れを咎めにリュシエンヌの許を訪ね、
そこへリュシエンヌの恋人で売れない俳優レエモン・アルノーがやってくる。

芝居を見たことがないポールに、リュシエンヌはレエモンと『椿姫』を演じて見せることを提案する・・・。

登場人物

Lucienne Moreau

女優。1929年、踊り子の母の私生児として生まれる。演劇に対し、並々ならぬ情熱を持つ。
現在は、彼女に献呈された新作の役作りのため、安いアパルトマンで過ごしている。39歳。

Paul Dlecroix

医師試験を受けにパリに出るが、
五月革命の余波で、試験が中止・延期される。
1948年リヨンに生まれる。

Raymond Arnaud

俳優。リュシエンヌの恋人。俳優として芽が出ないため転職して実業家になる。
1940年、ブザンソン近くの労働者の子として生まれる。故郷を捨てパリに出る。

私にとっての演劇宣言

本作はデュマ・フィス『椿姫』をモチーフにしたフランソワーズ・サガン『棘』に発想を得て、
夢と現実、幻想と社会を選択せざるを得なかった男と幻想に生き続ける女、
そしてその幻想に魅せられていく男を描きます。

『椿姫』は作者のデュマ・フィスの体験に基づいた小説で1848年に発表されました。
発売当時、まさに現代を舞台とした一種の私小説でした。
1年後には作者の手によって戯曲化、1850年に舞台初演が行われ、
1852年にパリで上演を見たヴェルディによって1853年にオペラ化されました。
(ただしオペラは『La Traviata(道を踏み外した女)』と題名を変えています)

このオペラは世界中で最も上演されるオペラの一つで、
『椿姫』はオペラによって知られているといっても過言ではありません。
主人公のマルグリット・ゴーティエ、オペラではヴィオレッタ・ヴァレリーは、
伝説的な名女優サラ・ベルナールや希代の歌姫マリア・カラスの当たり役とも知られ、
愛に目覚めた主人公が、自らの身の上のために愛する男と結ばれずに肺結核で亡くなっていく物語です。

『プライヴェート・リハーサル』の時代は1968, 69年。
女優リュシエンヌと弟子入りしたポールは、『椿姫』の設定を借りながら、
「どうしてもこれを言わせて欲しい、世界中の人に伝えたい!」と思える言葉を探して、
二人だけの言葉、物語を作っていくのです。

本作は私にとっての演劇宣言ような、舞台で舞台を物語ることの意味を問うた作品です。
最後にポールが語るモノローグをどうしても伝えたいから、語りたいから、この作品を作りました。
『プライヴェート・リハーサル』が100年後にも上演され得る
”新しい古典作品”となるための第一歩をここに記したいと思います。

作・演出 田尾下 哲

STAFF

田尾下 哲

修辞・ドラマトゥルク

長屋 晃一

PLAY

2015年7月

日暮里d-倉庫
風花 舞 山﨑 将平 岩崎 雄大